本文
問1 水がにごる(着色) 赤色に 黒色に 白色に
問2 泡が出る(発泡)
問3 臭いがする(臭気)
問4 異物が出る(異物)
問1
(1)赤色に
(赤水濁水が出る)
原因
このような現象は、地下水を水源とするところでは多く見られます。 鋳鉄管等または地下水に含まれる鉄が水道水を殺菌するために注入された塩素や、水中に含まれる酸素と反応し徐々にですがさびて、これが配水管に付着していきます。
朝一番や夏場などの使用量が多い時間帯に発生する場合は、ほぼ配水管からのはく離に原因すると考えられます。
また、隣家で同様な現象が見られないときには、給水管に原因すると考えられます。
給水管に亜鉛メッキ鋼管が使用されているとき、または継手などの一部に鉄材が使用されているとき、硬質塩ビライニング鋼管布設時の加工に不備があるときなどに、露出した鉄面が空気中でさびるのと同様に水中でも徐々にさびているためです。
このさびが、水の使い始めに赤水となって出てくるためです。
安全性
鉄は人体にとって、1日に10~20mg必要とされる成分です。鉄による少々の赤水を、誤って飲んでしまったとしても特に心配はありません。 ただし、多量の赤水あるいは鉄の濃度が異常に高い赤水を飲用した場合には、嘔吐を催すことがあります。
しかし、鉄分は、人体への吸収率が低く、大部分が排出されてしまいますので心配ありません。
対策
透明なコップなどに水を取り赤いときには、飲用は避けて下さい。赤水が出るときは、しばらく放流後、きれいになってから飲用して下さい。このとき放流した水は、バケツなどに取り、植木や庭のまき水、 トイレ、掃除などに利用してください。
配水管に原因する場合は、市職員によって配水小管網での排水作業を行っています。
また、給水管に原因する場合には、十分な調査を行ったうえ、給水管等の布設替えを考えなければならない場合があります。
(2)黒色に
(魔法瓶の内面が黒色になる)
原因
給水管に使用している銅管、または湯沸器に使用されている銅管からごく微量の銅が溶けだします。その銅が、魔法瓶の内面に除々に付着し、黒色となったものと考えられます。
安全性
銅は、人体に必要な成分の一つで食物などにより、1日にとる量が、2~5mgと言われています。水道水の水質基準値は、1.0mg/L以下となっていますが、これは味が悪くなるとか、布類、タイル類を青くすると いったことから決められた値です。
銅自身には、ほとんど毒性がないか、あるいは極めて小さいとされい ます。銅塩中最も用途が多く、一般的に広く毒物と考えられている硫酸銅は、ラットに対し、経口的投与した場合の半数致死量が300mg/kgとなっています。これを、体重60kgの人間に換算すると18g摂取することになります。
銅管からの溶出については、水質と深い関係があります。pHが著しく低い場合、遊離残留塩素が高い場合、水温が高い場合、水中の炭酸ガスが高い場合などは、銅の溶出量が多くなると言われています。
しかし、水道水については、いずれの場合も、銅の溶出量は1~2mg/Lを大きく超えることはありません。したがって安全性については、問題ありません。
対策
朝一番に使用するときなど(長時間使用しなかったとき)は、使い始めの水に銅が多く含まれているおそれがありますので、しばらく流した後に使用し、放流水は散水、雑用水等に使用されることをお勧めします。 また、湯沸器は、水温が高くなるために銅の溶け出す量が多くなります。このため、湯沸器の水は食器洗い、入浴等に限定して使用されることをお勧めします。
(黒水濁水が出る)
原因
このような現象は、地下水を水源とするところでは多く見られます。 地下水に含まれるマンガンを殺菌するために注入された塩素や水中に含まれる酸素と反応し徐々にですがさび、これが配水管に付着していきます。
朝一番や夏場などの使用量が多い時間帯に発生する場合は、ほぼ配水管に原因すると考えられます。
安全性
マンガンは人体にとって、必要とされる成分の1つです。食物などにより1日にとる量が約4mgと言われています。水道水の水質基準値は、 0.05mg/L以下となっていますがこれは味が悪くなるとか、布類・タイル類を黒くするといったことから決められた値です。マンガン自身にほとんど毒性が無いか、あるいは極めて小さいとされているため安全性に問題はありません。
対策
透明なコップなどに水を取り黒く濁っているときには、飲用は避けてください。黒水が出るときは、しばらく放流後、きれいになってから飲用してください。このとき放流した水は、バケツなどに取り、植木や庭のまき水、 トイレ、掃除などに利用してください。
配水管に原因する場合は、市職員によって配水小管網での排水作業を行っています。
(ほ乳瓶の乳首が黒色になる)
原因
給水管に使用している銅管、または湯沸器に使用している銅管から、水道水中にごく微量の銅が溶けだします。その銅と乳首中の硫黄分とが反応し黒色の硫化銅ができると言われています。また細菌やカビによる場合も考えられます。
対策
細菌やカビによるときは、水に乳首を入れ約5分間煮沸消毒してください。それでも取れないときは、ゴムの変色と考えられますので、そのまま使用してもさしつかえないと思われます。
しかし、乳児のことですので、新しい乳首を使用した方がよいと思います。
(3)白色に
(白い水、白いお湯が出る)※数秒間放置すると消える場合
原因
水道水を蛇口から勢いよく出しますと、蛇口の内部が負圧となり、蛇口の上部から空気を吸い込み気泡となって出てきます。また、給湯栓から出るお湯にも同様の現象が見られ、空気の吸い込みの他に水中の溶存ガス(酸素や炭酸ガス等空気の成分)の放出が考えられます。湯沸器の中で水が急激に加熱されると水中に溶け込んでいる酸素や炭酸ガス等が放出されやすくなり、蛇口からお湯が出た瞬間に気泡となって現れます。これらの気泡が小さいと、水やお湯は白く濁りますが、数秒後には除々に下の方から透明になってきます。
安全性
気泡が入る原因は他にも考えられますが、空気によるもので安全性については心配ありません。
(白い水が出る) ※煮沸すると水が白くなる場合
原因
給水管に亜鉛メッキ鋼管を使用していますと、亜鉛が溶け出して白い水が出たり、煮沸すると白くなったりすることがあります。この現象は、給水管内に水がたまっている時間が長いほど発生しやすく、朝一番の使用時によく見られます。
安全性
亜鉛は、人体にとって必要な成分です。必要な量以上とったときには、 体外に排出することから、健康障害については、極めて多量にとったなどの特殊な場合を除き問題はありません。
対策
給水管に滞留した朝一番の水をしばらく流した後に使用し、放流水は雑用水等に使用してください。また、亜鉛の溶出が進行しますと、赤水が発生しやすくなります。したがって、給水管を他の種類の管に、布設替えすることをお勧めします。
問2
泡が出る(発泡)
原因
水道水を勢いよく蛇口から流しますと、周辺の空気が引き込まれ、泡が立ちます。この泡は空気によるものですぐ消えますから問題はありません。
しかし、洗剤が容器に付着していることも考えられますので、容器をよく洗ってから使用することもお勧めします。
問3
においがする(臭気)
(朝一番の使用時のみ感じる)
原因・対策
水道水が給水管の中に長い時間滞留していますと、使用している管の種類により各種の臭いが水につくことがあります。特に、新築や配管替え等の家で硬質塩ビライニング鋼管を使用し長時間滞水後の水が強く臭うこともありますが、使用するにつれて、臭いがなくなってきます。臭いがあるときは、しばらく放水してから使用されることをお勧めします。もし、臭いが続くようでしたら水質検査センターに連絡してください。
(カルキ臭・塩素臭を感じる)
原因
水道水は、水道法により塩素消毒が義務付けられており、残留塩素が0.1mg/L以上検出しなければならないことが定められています。塩素は特に水中の細菌を殺す働きをしており、これがないと、水道水に細菌が繁殖する恐れがあります。このため送水場では、安全を見込み一定の次亜塩素酸ナトリウムを注入しています。
その関係で給水区によって、あるいは、気候や体調によりカルキ臭塩素臭を感じることがありますが、異常ではありません。むしろこの臭いがすることは、「安全な水」であることの証明といえます。
対策
各家庭で水をおいしく飲むための方法としては、水を冷やすことです。冷やすことによって消毒の塩素臭などの臭いもあまり気にならなくなります。(コップに3~4個の氷をいれるだけで充分です。)
問4
異物が出る(異物)
(シールコートのはく離)
原因
シールコートは配水管等の内面(セメントモルタルライニング中のアルカリ成分)の溶出を阻止し、ライニングの寿命を延長させると同時にpH上昇を防ぐもので、昭和45年から使用される様になりました。
(1) 水の使用量の多い時に浴槽など白い浮遊物が出る
(2) 水の出が悪くなる、ストレーナーにはく離したものがたまる
対策
管の洗浄が、必要になりますので、上下水道局にご連絡ください。